目で見てわかる支援
発達がデコボコしている子ども達が安心して日常生活を送るためには、視覚支援が必要です。
視覚支援とは、
何をどうするのかを目で見て分かるようにすることです。
会話でのコミュニケーションができると「言葉で説明すれば分かる」と思われがちですが、言葉だけで説明されても伝わらない場合が多いのです。
写真やマークで伝える
例えば、少しだけ言葉が通じる外国に、一人ぽつんと取り残された場合を想像してみてください。
どこにいるのか、これから何が起きるのか分からず不安になります。
でも、見てわかるマークがあればトイレに行ったり、目的地に行ったりすることができます。
メニューに写真が使われているファーストフード店であれば、注文する際の不安も軽減されるのではないでしょうか。
出典:www.pakutaso.com
何から視覚支援をすればいいのかわからない場合は、「何度教えたらわかるの!」と言いたくなる物事に対して考えるといいかもしれません。
・片付ける場所に、そのおもちゃの写真を貼る
・家に帰ってからやることを紙に書いて貼る
など、ちょっとした工夫で何度も同じことを言わずにすむかもしれません。
予定や時間を示す方法
息子が未満児だった時に重宝したのは、残り時間がわかる時計です。
視覚支援用として「タイムタイマー」が市販されていますが、キッチンタイマーでも代用できます。
まだ時計が読めないときは、「この時計の赤いマークが消えるまで遊んでいいよ」「ベルが鳴ったら終わりだよ」と伝えると切り替えが早かったです。
出典:www.pakutaso.com
また、予定がわからないと「どこに行くの?」「いつ着くの?」と不安になるので、いつもと過ごし方の違う休日や旅行に行く場合はスケジュール表を作りました。
今はタブレットがあるので、行くお店の写真を事前に見る、時刻表や路線図のアプリを見るなどしています。
大切なのは「不安を減らすこと」
視覚支援は、絵や写真、文字など本人が分かる伝え方で伝えることが大切です。
「絵は苦手だから書くのは難しい」と思うかもしれませんし、「一生、書いて伝え続けなければいけないかも」と不安になるかもしれません。
でも、大事なのはお子さんの不安を減らしてあげることです。
料理のレシピ本のように写真を撮って順番に並べるだけでもOK!
フリーのシンボルマークを印刷して、切って貼ってもOK!
文字が読めるお子さんの場合は、紙と鉛筆があればすぐにできます。
方法は子供によって様々
いくら「視覚支援をすれば発達がデコボコしている子どもにも伝わる」と言っても、子どもにやらせたいことや直して欲しいことばかりを書くと効果はゼロです。
なかには、凝って作っても子どもの好みに合わず、うまく伝わらないこともあります。
私もいくつボツになったかわかりません(涙)
身近なものを使って簡単に始めた方が、うまく伝わることも何度もありました。
難しく考えずに気軽に始めて、お子さんに合った伝え方を探してみるといいでしょう。
お子さんの不安を減らすための視覚支援なので、優先順位をつけ、一歩ずつ日常生活に取り入れてみてくださいね。
過去の記事はこちら↓
この記事を書いた人
花石しまりー:デコボコライフアドバイザー
http://symary.naganoblog.jp/
長男(2001年生)が3歳の時に発達障害(自閉症スペクトラム)と診断されてから育児書通りにはいかない子育てをブログに連載。個別相談や講演、発達障害の啓発活動に取り組んでいる。子どもの発達が気になる親の会こもれび代表。